お魚図鑑
さけ (しろざけ)
[標準和名]
しろざけ[地方名]
あきざけ、あきあじ、ときしらず[学名]
Oncorhy keta[英名]
Chum salmon
- 目サケ
- 科サケ
- 属サケ
- サイズ全長60cm〜100cm
世界中で最も多くサケ・マス類を食べるといわれる日本人。なかでも一番親しまれているのが、しろざけです。身の色が比較的薄めなことから、この名があります。
とりわけ秋、産卵のためにふるさとの川へ戻ってくるものを「秋鮭」「秋味」と呼び、川へあがる前に沖で漁獲されるものが上級品種とされます。
秋鮭は産卵前で身が締まっているのが特徴で、白子や卵の成長のために体脂肪が使われているため、どちらかというと脂は少なめであっさりしています。
外観
産卵期の雄は、口先が伸びて湾曲して「鼻まがり」になり、顔つきも荒々しくなります。比べて雌は、丸みのあるやさしい顔つきです。
生態
本州中部以北、朝鮮半島、極東ロシア、アラスカ、カナダ、カリフォルニア州に分布しています。春先に浮上した稚魚は、河川を流下し海に出て、水温の上昇と共に北上します。北太平洋で数年を過ごし成熟してくると南下して、生まれた河川を目指し、秋に遡上します。
- 漁獲法定置網
- 主な産地北海道(釧路)、北海道(根室)、北海道(羅臼)、青森、岩手(宮古)、宮城(女川)
買う・食べる
時期
9月から11月
鮮度・品質の見分け方
・皮が銀白色に輝き美しいものが上級品
・腹の身の部分(ハラス)が黄色く変色していないもの
・切り身の表面につやがあり、鮮やかなオレンジ色のもの
・切り身でも腹のまわりや身の全体に張りがあり、縮んだりしぼんだりしていないもの
味わい調理のポイント
・シンプルな塩焼きをはじめ、ムニエル、オーブン焼き、ホイル焼きなどの焼き物、大根などとの炊き合わせ、シチュー等、さまざまな調理に応用が利きます
・クリーム、マヨネーズ、チーズとの相性がとてもよく、家庭的で気軽な洋食メニューに重宝します
・脂に生臭みが少ないため、お弁当のおかずにもぴったり
・しろさけは鮭のなかでも比較的脂肪が少ないので、フライなど油を使う料理も、くどすぎずおいしくできます
栄養のポイント
・タンパク質が豊富。しかも他の魚に比べ、消化・吸収率が高いことで知られています
・脂がのったものは学習・記憶能力の向上や、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病など生活習慣病の予防効果があるとされるEPA、DHAが豊富
・コレステロールの代謝促進や肝臓の機能強化に効果があるとされるタウリンが豊富
・鮭の身の赤には抗酸化機能(老化抑制)が注目されるアスタキサンチンが豊富
おまけの知識
代表的な鮭産地・新潟県村上市では、サケを「イヨボヤ」と呼び、毎年12月に「イヨボヤまつり」が開催されます
「鮭」は秋全般にわたる季語
一番にはつ鮭来り馳走砂(一茶)
北日本、東日本では歳取り魚として鮭を食す地域が多く、ブリと2分します