お魚図鑑
びんちょう (ビンナガ)
[標準和名]
ビンナガ[地方名]
とんぼ[学名]
Thunnus alalunga[英名]
Albacore
- 目スズキ
- 科サバ
- 属マグロ
- サイズ1.4m/40kg
「びん=鬢」と呼ばれる胸ビレが非常に長いことからこの名があります。 背ビレも長く、広げた様子がトンボににていることから「トンボマグロ」の愛称も。 主にツナ缶の素材として漁獲されていましたが、回転寿司等のネタとして人気を呼び、サクや刺身が店頭に並ぶように。庶民的な価格も人気の理由となっています。
外観
胸びれが頭長を超え、まぐろの中で最も長いです。尾びれが白く縁取られています。
生態
全世界の温帯海域を中心に分布しています。キハダやメバチがいない地中海にも生息し、他のまぐろと同様に、かなりのものが日本近海とカリフォルニア沖の間を渡って回遊します。
- 漁獲法延縄、曳網、一本釣り
- 主な産地宮城(気仙沼)、千葉(銚子)、千葉(房州勝浦)、和歌山(那智勝浦)、海外(インド洋)、海外(太平洋)、海外(大西洋)
買う・食べる
時期
1月から3月
鮮度・品質の見分け方
・脂肪部分の白い線がまっすぐできれいにそろっているものほど上等
・まぐろの仲間の中では赤身が薄いのが特徴。つややかなピンクのものが新鮮
・切り口がなめらかで崩れがなく、つやがあるもの
味わい調理のポイント
・刺身や寿司ネタで…脂が上品な甘みを持っており、トロは「ビントロ」とも呼ばれます
・脂の甘さと、比較的あさあっさりした味わいが生きる付け焼きがおすすめ。照り焼き、味噌漬け、粕漬けなど
栄養のポイント
・タンパク質、ビタミン、ミネラル、脂質を豊富に含みます
・特に脂質には、血液中の中性脂肪を低下させ、血管拡張の機能を持つEPAや、脳の働きを活性させるDHAが、魚の中でも特に豊富です
・動脈硬化の予防や老化抑制の働きが注目されるミネラル、セレンが豊富。
・肝機能の働きを助けるアミノ酸、タウリンも豊富です。
おまけの知識
びんちょうの「びん=鬢」は、もともと耳の前の頬寄りの髪の毛のこと。「もみあげ」をこう呼ぶ地方もあるようです。 「びんちょう」「ビンナガ」と名付けた昔の人は、胸ビレが長いこの魚の姿に、粋なオシャレ心を感じたようです。