お魚図鑑
カツオ
[標準和名]
カツオ[地方名]
ほんがつお、とっくり[学名]
Katuwonus pelamis[英名]
Skipjack tuna
- 目スズキ
- 科サバ
- 属カツオ
- サイズ全長50cm〜1m
黒潮にのって北上し、駿河湾〜東京湾周辺で漁獲される春から初夏は「初がつお」、
東北周辺でUターンして南下する秋は「戻りがつお」と呼ばれ、それぞれにおいしさが賞賛されます。
江戸っ子は「女房を質に入れても」初がつおを食べることに情熱を傾けたといわれます。
外観
餌を食べるときや興奮したときに、体側に数本の暗褐色の横帯が出現します。生きているときにははっきりしませんが、死んだ後には、体側の腹側に7〜8本の暗褐色の縦縞が出現します。
生態
全世界の温帯から熱帯海域の暖かい海水に分布します。日本近海では黒潮に沿って回遊し、夏に三陸海岸沖辺りまで北上し、秋に南下するという季節回遊を行います。北上するカツオは「のぼりがつお」、南下するカツオは「下りがつお」「もどりがつお」と呼ばれます。
- 漁獲法一本釣り、ケンケン引き、巻き網
- 主な産地宮城(気仙沼)、宮城(石巻)、福島(中之作)、千葉(銚子)、千葉(房州勝浦)、静岡(御前崎)、宮崎(日南)、鹿児島(鹿児島)
買う・食べる
時期
5月から7月
鮮度・品質の見分け方
・魚体が大きいものほど美味とされます
・身の色が鮮やかな赤色で、血合いとの境目がはっきりとしたもの
・傷みが早く、時間が経つほど血のにおいが強くなります
味わい調理のポイント
・初がつおは表面をあぶってうまみを閉じ込める「たたき」がおすすめ
・戻りがつおは刺身で味わうと、脂ののったおいしさを満喫できます
・香味の強い野菜や香草と合わせた煮物、炒め物も、かつおのうまみを楽しめる食べ方です
・塩ゆでして表面を乾かす「なまり」も用途多彩
・ワタの塩辛は「酒盗」と呼ばれる酒の肴に
栄養のポイント
・良質なタンパク質が豊富
・脂肪分には血液中の中性脂肪を低下させ、血管拡張の機能を持つEPAや、脳の働きを活性させるDHAが豊富
・戻りがつおの脂肪分は初がつおの10倍にものぼります
・血合い部分はビタミンB類や鉄分の宝庫
おまけの知識
江戸時代の旬の感覚を伝える俳句
目には青葉 山ほととぎす 初がつお(山口素堂)
が有名
かつお漁の伝統がある高知県土佐町では5月に「かつお祭」が開催され、1日で2.5トンものかつおが人々の胃に入ります