お魚図鑑
殻付きほたて (ホタテガイ)
[標準和名]
ホタテガイ[地方名]
からほ[学名]
Patinopecten yessoensis[英名]
Japanese scallop
- 目カキ
- 科イタヤガイ
- 属ホタテガイ
- サイズ殻長20cm
養殖の普及によって庶民の食卓に身近になった「ほたて」。
天然ものと比べ、遜色のない味と食感を楽しめ、食卓を豪華に演出することもできるので、人気の食材です。
風味のよさでは殻付きの活けものが一番。ほたての殻は器とし再利用しやすいので、殻付きを見かけたら、ぜひ購入を。
外観
殻表には20数本の放射状肋がある大きな二枚貝で、ふくらみが強い殻(右殻)と弱い殻(左殻)とが合わさっています。外套膜(ヒモ)の周囲に、およそ80個の小さな眼があります。
生態
東北地方以北からオホーツク海に分布し、水深10〜30mの砂礫底に住んでいます。ヒトデやミズダコなどが天敵ですが、ヒトデに襲われると閉殻筋で力強く殻を開閉させて海水を吹き出し、泳いで逃げることができます。
- 漁獲法貝桁網漁法、垂下式養殖、小型底びき網による漁獲
- 主な産地北海道(根室)、宮城(石巻)
買う・食べる
時期
4月から5月
鮮度・品質の見分け方
・殻付きほたては生きたまま店頭に並びます。鮮度と衛生面の管理に気を使うため、古いもの、弱ったものが並ぶことはまずありません。
・しいて見分けるなら、殻がしっかり閉じているもの、触れるとすぐ閉じるもの、においがないものが新鮮。そして重量感のあるものほど身が太っています
味わい調理のポイント
・生で…貝柱の部分を刺身に
・殻ごと調理…貝殻を器として使う場合は、必ず貝殻の片方を取り外すか、ちょうつがいを切って貝柱を片方の殻からはがしてから。そのまま火にかけると、上に開く方の殻に身がついていき、調理中にひっくり返ってしまいます
・ほたての身で、食用に向かないのは、ちょうつがいに近い位置にある「うろ」と呼ばれる黒い部分だけです"
栄養のポイント
・低カロリーながら、タンパク質、カルシウム、ビタミン、鉄分などが豊富で、バランスよく含まれているヘルシー食材です
・味覚障害を改善する亜鉛、細胞の活性化を助けるといわれるタウリンが豊富
・抗ガン作用が注目されるゲルマニウムやセレニウムも含んでいます
おまけの知識
「帆立貝」は夏の季語。
帆立貝の帆に逆らえる潮かな(細木芒角星)
古くは、片方の殻を帆のように立てて、帆掛け舟さながら海を移動すると信じられていたのだとか