ブリのあんかけ焼きそば
- 12
- December
2024
年取り魚としても、出世魚としても知られる「ブリ」。店頭でもよく見かけるようになりました。
今回はあんかけ焼きそばの具材として使います。ブリは照り焼きや塩焼きだけでなく、肉と同じように、いろいろな料理に使える便利食材です。
お魚のうんちくやおいしい話で、お魚をもっと身近に!
北陸地方の初冬、沿岸で吹き荒れる寒風と共に轟く雷のことを何と呼ぶでしょう?
- ①ぶり返し
②ぶり起こし
③ぶり落とし
成長とともに名前が変わり縁起が良い魚として、ブリは古くから食べられてきた出世魚の一つですが、その人気から各地でさまざまな呼名があります。大きく分けると、関東での呼び名である「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」と、関西の「ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」の2種類です。全国各地、呼び名は120もあるそうですが、どこでも1m前後になると「ぶり」と呼んでいます。名の由来は「あぶら」の多い魚が転訛して「ぶり」となったいう説が有力です。また、師走にもっとも味がよくなるから漢字では鰤と書くとされています。
ブリといえば、冬の北陸、厳寒の「寒ぶり」がおいしいといわれますが、なかでも富山湾の定置網で漁獲される「氷見ぶり」は特に高値で取り引きされます。北陸地方では雪が降り始める時期、ブリ漁が盛んになると共に波や雷が激しくなることから、古くからこの雷のことを「ぶり起こし」と呼び、現在でも石川や富山などでは「雷が鳴るとブリがとれる」という言い習わしが伝わっています。ということで、ととクイズの正解は②でした!ちなみに、北陸地方では、初代加賀藩主前田利家(1539~1599)の時代からブリをお歳暮に贈る習慣があったといわれ、現在でも、富山や石川では海岸部の地域を中心に、結婚した年の暮れに出世魚のブリにあやかり娘婿の出世や、娘の嫁ぶりが良くなることを願って娘の嫁ぎ先にブリを贈り、婚家から半身を嫁の実家に贈り返す「歳暮ぶり」の習慣が残っています。
ブリは青魚の中でもトップクラスの栄養を誇り、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく含んでいます。「信州では年越しのごちそうにも使われるように、昔から珍重されてきました。ぜひ縁起の良いブリをお召し上がりください」とマルイチ産商長野支社鮮魚課の深谷さん。脂が乗っておいしい今の時期、ぜひたくさんお召し上がりください。