お魚をおいしく食べるコツ Konomi Hama's Fish recipes
File 050魚食で考える『味覚と亜鉛の関係』
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冬の魚は繊細な味覚の味方
いろいろな魚介類が旬を迎える冬。刺身で、鍋で、焼き物や煮物で、それぞれのおいしさを満喫したいものです。冬に店頭でよく目にする魚介類は、人が舌で味わう味覚を正常に保つのに欠かせないミネラル、亜鉛を豊富に含んでいる点にご注目ください!
味の感覚に違和感がある、口の中がなんだかまずいといった症状の多くが、亜鉛不足に起因するといわれています。亜鉛は、体内で自然合成されることがなく、食品から摂取するしかないミネラル、ぜひ旬の魚介を食べて、おいしく補給したいものです。
※味覚の異常をはっきりと自覚する場合は、自己判断を避け、耳鼻咽喉科、口腔内科、心療科などで受診されることをおすすめします。 -
亜鉛の役割はほかにもたくさん!
皮膚や粘膜の状態を正常に保ったり、ホルモンの円滑なはたらきを助けたりと、さまざまな役割を持つ亜鉛。
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疲れやすい、更年期や老化の症状が気になり始めた、ケガや打ち身が治りにくい…など、病気というほどではないが身体の不調が気になるという場合、亜鉛不足も、その一因かもしれません。
市販薬やサプリメントに頼る前に、まず日頃の生活習慣と食事を改善したいものです。その際、意識的に亜鉛の多い魚介をとってみるようにしましょう。 -
亜鉛の多い魚介類は?
肉、野菜、穀物なども含めたあらゆる食品の中で、最も多く亜鉛を含んでいるのがカキ。100グラムあたり13.2ミリグラムで、豚肉や牛肉の約3倍もの亜鉛が含まれています。
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成人が1日に必要とされる亜鉛の量は男性で9ミリグラム、女性で7ミリグラムですから、カキは亜鉛不足の解消に大いに役立ってくれそうですね。
続いて煮干し、たたみいわし、スルメ、ホヤ、カニ(カニ缶)、干しエビ、ウナギなどに豊富です。冬の魚介では、タラ、アカガイ、アンコウがおすすめです。 -
クエン酸、ビタミンC、牛乳などとの組み合わせでより効率よく
亜鉛は吸収されにくく、体外に出てしまいやすいミネラルですが、クエン酸、ビタミンC、動物性タンパク質と組み合わせることで、吸収が促進されることがわかっています。
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たとえば、生ガキのレモン添えや酢ガキ、カキのミルクシチューなどは、亜鉛を摂取するうえでとても理にかなったメニューといえます。 -
添加物やインスタント食品は要注意
亜鉛の吸収を妨げる物質の代表的なものが食品添加物。インスタント食品に含まれる添加物には、亜鉛と結びついてしまうものが多いのです。
せっかくカキやカニを食べても、前後にスナック菓子やインスタント食品をたくさん食べていれば、亜鉛が役割を果たす前に添加物と結びついてしまい、あまり意味がなくなってしまいます。 -
運動やトレーニングに不可欠
亜鉛は運動機能とも関わりが深く、運動量に応じて大量に消費します。カキや煮干しなど、亜鉛の多い食品を意識的に食べるようにしたいものです。
魚介だけでなく、肉、野菜、海草なども豊富にとれるちゃんこ鍋がおすすめ。運動量の多い力士の健康を維持するだけあって、高栄養価で、しかも栄養バランスのよいメニューです。