お魚をおいしく食べるコツ Konomi Hama's Fish recipes
File 016魚が登場する『ことわざ』一覧
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エビで鯛を釣る
エビのように小さな元手で立派な鯛を釣り上げるように、結果的に大儲けすること。
ここでいうエビは、もちろん伊勢エビのような大層なエビではなく、釣り餌にする小さなエビのこと。釣り好きな人の中には「鯛はエビが大好物だから、エビを餌にすると確実に釣れる!」と、由緒正しいことわざであることを力説する人もいるようですが、真偽のほどは定かではありません。
簡単にいえば、「超ラッキー!」ということ。こんな幸運に出会いたいものですが、いつもエビでタイを釣る話をねらってばかりいるのでは、あまり健全とはいえないかも。
ちなみに「鼻糞で鯛を釣る」ということわざもあります。 -
うちの鯛より隣のイワシ
他人のものはとかくよく見えて、自分が持っているもののよさに気がつかない。
「隣の芝生は青い」ということわざとも、よく似ています。昔から「鯛」といえば高級魚の代表格。つまりブランドです。一方イワシは典型的な大衆魚(最近は少々変わってきましたが…)。いつでも簡単に手に入るイワシでも、人のものとなると、すごくよさそう、なんだかとてもうらやましい。
でも、本当に隣にあるものの方が鯛だったり…という場合もありますね(苦笑)。どうやら、ものごとを冷静な視点で判断する力が大切といえそうです。 -
ヒョウタンでナマズをおさえる
とらえどころがない、要領を得ないことのたとえ。
丸いヒョウタンでぬるぬるしたナマズをおさえようにも、滑ってしまってうまくいかないことを表しています。なるほど、言い得て妙のことわざですが、ヒョウタンもナマズも現代人の生活とはちょっとかけ離れた存在なので、想像するのがむずかしそうです。
同じ意味合いで、「ジュンサイでウナギをつなぐ」ということわざもあります。両方ぬるぬるしているので、とらえどころがないというわけです。こちらの方が見慣れた素材ですが、どうやってつなぐのかを想像するのは、やはりむずかしそうですね。 -
鯛もヒラメも食うた者が知る
鯛でもヒラメでも、その味をわかるのは、実際に食べたことがある者だけ。
「百聞は一見にしかず」に通ずることわざです。人の話をいくら聞いても、書かれたものをいくら読んでも、実際の経験にはかなわないといった意味。
鯛もヒラメも高級魚。昔は、食べたことがあるというだけで、ずいぶん人に自慢ができたのでしょう。「あんなうめえもんは食ったことがねぇ」…長屋の熊さんが自慢する落語のワンシーンが目に浮かんできそうです。それにしても「うまい」「おいしい」という言葉だけでは説得力に乏しいというもの。どううまいのかを伝えるには、実際に経験しないと…というわけですね。 -
鯛の尾よりイワシの頭(かしら)
大きな組織で下っ端にいるくらいなら、小さな集団でもトップになる方がいい。
魚ではなく家畜を例にした有名な故事成語「鶏口牛後」に通ずることわざです。人の生き方や、やりがいに対する考え方を説いていますが、昨今は責任が重い「頭」となることを避け、“鯛の尾”や“牛後”で、あえて満足する人が多いようですが、さてあなたは?
それにしても鯛とイワシはよく比較対象になる魚ですね。「イワシ7度洗えば鯛の味」なんてことわざさえありますが、イワシからすれば「イワシのままでも十分うま味をそなえていらぁ。余計なお世話だい」とぼやきたいところかも。 -
沖のハマチ
いつ釣れるか分からない、転じてあてにならないことのたとえ。
ハマチ(つまりブリ)は回遊魚なので、いつやってくるかはハマチ次第。確実に釣れるという保証がありません。「ぜひ行きます」といいながら来たためしがない人、「やります、やります」といいながら、頼み事をなかなかやってくれない人に対し、「沖のハマチ」は的を射たたとえですね。でもハマチはおいしい魚なので、困ったものだと言いながらも、ちょっとは期待がこもっている、そんなニュアンスの表現なのかもしれません。